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人類の罪の焼き固め方――あるいは池波正太郎の行間

我が家では休日朝に人類の罪を焼き固めて積みあげなければいけないというしきたりがあります。
こういうやつですね。
人類の罪の塔
クリックするとおっきくなるぞ。

直近では池波正太郎のホットケーキで作ってみたんで(さっきの写真はそのときのもの)、書かれているレシピと手順から実際にどういう風に僕が段取りを再構築したのかを書いてみよう。

まずレシピ見るよね。僕はネットでレシピを調べたときは材料一覧と簡単な段取りだけをメモにしてしまいます。
台所しながら携帯電話とかiPad見るのいやでしょ。汚れるし。
あと、メモる次点で分量を同じ単位にそろえてしまった方が作業途中で頭を使わなくていいと思う。
今回だと小さじ2を大さじ2/3に書きかえちゃう的なこと。計量に使う道具も減るし。

◆ 分量:4枚分
材料 分量
  小麦粉(薄力粉) 150g
  ベーキングパウダー 小さじ2
  上白糖 40g
  塩 ひとつまみ
  卵(Mサイズ) 1個
  牛乳 140ml
  はちみつ 大さじ1
  サラダ油 大さじ1
  バニラエッセンス 少々

→二人分だからこの分量通りでOK。バニラエッセンス?ないけどなんかリキュール1ショットぐらい入れとけばいいっしょ。

シロップ
  黒砂糖 100g
  きび砂糖 100g
  水 100ml

→チューブはちみつでOK。

取り出さないといけない必要な道具は何か?レシピだけから必要な道具を過不足なく推察するのは結構難しい。
・フライパン
・ボウル大小2個
・キッチンスケール
・泡立て器
・レードル
・フライ返し
・粉ふるい(にぎってカシャカシャするやつが一個あると便利)

今回参照したところは丁寧に段取りも書いてくれてますね。
さすがグレーテルのかまど。
でも結構はぶかれてる。そこの行間をちょっと補完しながらいってみよう。

準備■小麦粉(薄力粉)、ベーキングパウダーを合わせてふるう。
step1 ボウルにふるった小麦粉(薄力粉)、ベーキングパウダー、上白糖、塩を入れて泡立て器で混ぜ合わせておく。


・キッチンスケールに空の小さいボウルをおいて0表示にする。
・量が少ないものから入れていく
・大ボウルの上で粉ふるいを構えて小さいボウルの中身を流し込んでいく。振るう。
はい「準備」「step1」まとめて終わり。

step2 別のボウルに卵を入れて溶き、はちみつ、バニラエッセンス、サラダ油、牛乳の1/3量を入れて混ぜ合わせる。


・小ボウルは粉ふるいが終わって空に戻ってる。粉がちょっとついてる?細かいことは気にしない。
・牛乳は全部混ぜちゃう。

step3 ステップ1の粉の中央をくぼませ、ステップ2を流し入れ、泡立て器で中央から円を描くように混ぜ、周りの粉を少しずつ混ぜ合わせていく。生地が硬くなってきたら残りの牛乳を少しずつ加え、全体になめらかになるまで混ぜる。


・水気を足しながら粉のかたまりを雪だるま状に大きくしていって、それをもう一回ゆるめていくイメージ。
・「なめらか」の具合はわかりづらいけど、ゆるんだ粉が泡立て器に粘らずぽたっと落ちるぐらい。ちょっとぐらいゆるめすぎても焼けばいいだけ。

step4 フッ素樹脂加工のフライパンを弱火でゆっくり熱し、手をかざしてほんのり温かいくらいになったら、レードル(玉じゃくし)1杯分の生地をフライパンの中心に流す。
※フライパンを熱しすぎないこと。
熱し過ぎた場合はぬれ布巾の上において冷ます。
※生地は、やや高い位置から真ん中に落とすように流し入れると自然に丸い形になる。


・手をかざすとか悠長なことやってられないんで適当に温めて一滴垂らす。焼けすぎてたら濡れふきんに載せて冷ます。
・作業全般的に、リカバリーが効くものはあまり細かいことを気にしない。注意力を割きながら一発で最上に持っていくよりは、雑に進めて行きすぎた分を戻す方が楽。

step5 1分程焼き、表面全体にぷつぷつと穴があいてきたら、フライ返しでひっくり返し、裏面も1~2分、きつね色になるまで焼く。
※表面が乾かないうちに裏返す。


・フライパンだと熱ムラがあるので「全体」に穴があいてくることはあんまりない。周縁部が固まってきたらひっくり返す準備。
・その場合真ん中はまだゆるいので、いきなりフライ返しを中心まで突っ込むんじゃなくて、一度周縁全周を軽く浮かして真ん中まで焼き固まってることを確認してから突っ込む。
・ひっくり返す前に裏面の焼き色を見ておく。フライ返しで縁を持ち上げたら指でつまんで覗くと楽。お行儀悪いけど。
・焼けたものは木のまな板に積んでおく。皿に盛ると湿気で再下段からベちょっとしちゃうので。焼けた端から食べてくれる人がいる場合はこの限りではない。

大抵誰でもレシピからこういう行間を補って実際の作業をしてると思うけど、言葉にしてみるとこんな感じ。

焼き固めた人類の罪の塔とコーヒーを両手に持って家人様を起こすところから休日の朝スタート。
人類に残された最後のフロンティアは儚い。
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ある平日の夕食

【前提条件】
・一人分
・仕事帰り
・常備菜あり

【事前に考えておいた献立】
・ニョッキのジェノベーゼペーストあえ(ペーストあり、ニョッキ茹でるだけ)
・スーパーお総菜のアジフライ(前日購入済み)
・常備菜

【段取り】
・電気ケトルに水を張りはじめる
 ・冷蔵庫から常備菜、アジフライ、ジェノベーゼペーストを全部取り出す
 ・アジフライをオーブントースターに投入してあたためはじめる
・電気ケトル水貯まる。セットしてスイッチオン
 ・ニョッキ茹でる用の片手鍋出す
 ・鍋に塩入れる
 ・食器出す(ニョッキ用の深い器と常備菜盛り用平皿)
 ・深皿にペーストを入れておく
・お湯沸く
 ・鍋に湯を入れる
 ・キッチンタイマー3分セット
 ・ニョッキ投入
・アジフライひっくり返す
 ・常備菜盛る
  ・空になった容器はシンクへ、まだ中身のあるものは冷蔵庫へ
 ・常備菜を盛った皿の隙間にキッチンペーパーを敷く
・ニョッキ茹であがる
 ・シンクでお湯きり
  ・切ったお湯を空になった常備菜保存容器で受ける(←汚れが落ちる
 ・ニョッキをペースト準備済みの深皿に投入
 ・混ぜる
 空いた鍋に水を張ってざるを漬ける
・温まったアジフライをキッチンペーパーの上に載せる(←皿に油汚れつかない&よけいな油が切れる

準備完了。いただきます。

ここまででほぼ15分。調理フェイズがほぼなかったのでだいぶ楽な方。

何気ない日常の作業の行間に目を向けるということ

一人暮らしも15年を過ぎると大抵のことは自分でできるようになってくる。
なんとなく、そういった物事のノウハウというか、自分としては当たり前のように無意識にやっている作業の行間に目を向けてみようと思った。

段取りを言語化して説明することはそう難しくない。
言語化された段取りを見た人が、そこに省略されたものをどのように頭の中で補って実際に体を動かしはじめるかを知ることは難しい。
自分でもうちょっといろいろうまくできるようになるためにも、そこをあえて蓄積してみようと思いました。まる。

メモとか読書ノートの取り方について

ろくな生産もなしておらぬ貴様が生産技術について語るなどちゃんちゃら…という感じですが人生の主たる業務が学術的な生産でない人間もインプットはしなければならずメモや読書ノートぐらいは取るんだからまあ仕方ない。

卒論~修論の途中までは京大カードとモバイルギア2を酷使して史料抜き書き管理と草稿作成やったりもしておりましたが今のところはメモとか読書ノートの方法と道具は以下のような組み合わせになっております。

【最小単位のメモ】:ニーモシネA7変形(画像は別のサイズのもの)

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これを持ち歩いてなんかあればとにかく書く。リングタイプで両面に書けるけど裏側に書いちゃだめよ。あとからノートに貼れないからね。
こいつはリングのすぐ下にマイクロミシン目が入っていて気持ちよくピリッと破り取れるし、罫線が薄グレーの実線と破線の組み合わせでまったく意識を邪魔しない優れものだ。

【なにかを読んでいるときに並行して取るメモ】:原稿用紙B5縦書き(画像はB4) or リーガルパッドミニ

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読書中に取るメモにはあとから見直すためのインデックスとしての機能をまず求めるようになった。読書メモと抜き書きは違う。読書メモは、読みながら何かを考えることを誘発するためにまず取られるべきであり、その考えたことがあとから時系列順に確認でき、なおかつそれが読んでいた当のもののどの記述と紐付いているのかが後から追えればいい。メモそのものを完結した知見の集積としていきなり組みあげようとするのは無茶である。

この場合メモのサイズと様式が重要になってくる。読書は一気呵成に終わるとは限らない。いきおいメモも断続的に取り、見返すことになる。また、作り終えたメモはところと場所を変えて何度も参照することになる。何枚も並べてそれらを見ながらその横ではPCの画面を見つめて文章を入力することもあるだろう。取り終えた読書メモをスキャンしてEvernoteに放り込むこともあるだろう。

こういった活用のことを考えると、メモは

①作業中断時にA5の本に挟み込んだり、あとからノートに貼り込んだりしてもはみださない判型
②綴じられておらずソーターによるスキャンが容易な様式

であることが望ましい。この2点を満たしつつ調達が容易なのが、ぼくの身辺ではリーガルパッドミニとB5サイズの原稿用紙だったということである。B5サイズの原稿用紙は半分に折って使っている。

思考を整理してブラッシュアップしながら落とし込んでいくメモは大判の紙にぐちゃぐちゃ書くのがいいが、断片的な細かい発想を結びつけていくには小片を並べるのがいい。ウメサオ的こざねである。


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上に挙げた二種類は並べても収拾がつかなくなるような大きさではなく、その意味でもちょうどいい。

【情報を集約する先】:大学ノート

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メモの様式が先に決まって、そこにあうように消去法で選んだらここに帰ってくる以外になかった。
頑丈、どんな文房具でも裏抜けしない、入手が容易、背中にインデックスが書ける/貼れる。文句のつけようがない。

そしてもう一つ、ノートは見開きという概念を活用できる点でメモやペラ紙とはまた違う機能がある。
これは紙資料を片面印刷して逆順に並べ替えて右綴じすることで、次頁の裏面を余白として活用可能にする「かめふじ法」に接して改めて考えたことでもあるけれども、情報と余白を見開きで左右に配置するフォーマットは情報をパラフレーズする/解読する/追加の情報を付加する作業に無類の効果を発揮するように思う。

ぼくはもともと論文や本には書き込みをする派だったけれど、最近はその版面内で完結する情報を付加する書き込みだけをするようになった。文章の流れや接続詞の機能を記号で整理したり、ちょっと語釈を書き加えたり、書かれてある情報の重要性を分類しておいたりする程度の。それを超える作業は先に書いた「あとから見直すためのインデックス」としてメモに分離される。

ちなみに、手元にあつめた論文は通し番号を振ってエクセルで管理していて、読む前と読んだあとにそれぞれスキャンして「読前」「読後」でファイルを分けて補完してある。読後だけがEvernoteに放り込まれる。
文献管理上の情報と文献そのもののデータは紐付けさえきちんとしていれば同一のソフトウェア上で管理されなくても全く問題はない、むしろその方が楽だと思う。なんでも便利なソフトウェア上で一括管理・作業できるとそれがないと作業ができなくなるんじゃないかと不安になってしまう。

読書と調べ物とものを考えることはゲリラ戦なので、特定のサービスや文房具や環境に全体を拘束されてはいけない。技術と工夫で効率化できるのは最小限の作業の単位まで砕いたところまでであり、そこから先は費やした時間と積みあげた知見でしか勝負はできない。そこを技術と工夫で押し通そうとすると足下を掬われてしまう。

汝びびることなかれ


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 言わずと知れたウンベルト・エーコ『論文作法』である。大学の師匠がゼミで薦めていたので購入して持っていた。引越の時に一度手放してしまったが、やはりこれは持っていなければと思い直し最近また買った。読むたびに背中を押してもらう場所は違うが、今回はここだった。

 論文であれ(また時には)印刷された書物であれ、著者がひっきりなしに、乞われもしない弁解を繰り返しているものほど、じれったく感じさせるものはない。〔…〕
 悠然と、「こう思う」とか「こう考えられる」と言いたまえ。君が語っているときには、君がエキスパートなのだ。もしも君が偽のエキスパートだということが見つかれば、損をするのは君だが、しかし君には躊躇している権利はない。君はその特定テーマについて共同体の名において語る人類の役人なのだ。ものをいう前には謙遜かつ慎重でいたまえ、だがいったんしゃべり出したときには、高慢かつ尊大でいたまえ。〔…〕
 またたとえ、そのテーマについて語られたすべてのことを要約しただけで、何ら斬新なことを付け加えていない、編纂的な論文を選んだとしても、君は他の権威者たちによって語られたことについては一権威者なのだ。そのテーマについて語られたすべてのことを、君以上によく知っている者は皆無のはずである。

(第V章6節 学問上の矜恃 221-222頁)

 エーコのこの本は、たどりつくべき高みを示すだけでなく、もがき苦しむ者が手を伸ばすべき藁を同時に差し出してくれているのがすばらしい。苦しむ者に寄り添うとはこういうことである。

 なお、指南書然とした形式ではなく、一学者のノンフィクションコメディ的な形式で、論文を書く行為が学者の日常の中にどのように組み込まれているかを知りたければベッカー先生の日常をのぞかせてもらうのがよい。

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 学術出版の世界はジャマーノ編集長が教えてくれる。
 
ジャマーノ編集長 学術論文出版のすすめジャマーノ編集長 学術論文出版のすすめ
(2012/04/21)
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Author:higegeschichte
ワッショイデース
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